寝取られ性癖を口にしたことで変わった私たちの夫婦生活 3/4

次なる禁止項目はこれだったのか! 私は下着越しに蠢く久美の指先を凝視しながらオナニーに没頭した。クリトリス辺りをまさぐっていた久美の指先が、更に奥へと潜っていった。
「あぅぅん!」
指先を挿入したようだ。快感に呻き、首を反らせる。しばらく膣内を掻き回すような感じで動かしていたが、ほどなく大きな上下動に変わった。
「あうん、あうん!」
久美の喘ぎが一段と大きくなった。猫が水を飲むような音が、ショーツ越しにでもはっきり分かるくらい淫靡に響き渡る。私は知らず知らずのうちに、しごくスピードをショーツの盛り上がるリズムに同調させていた。下着に遮られ、秘裂さえ直接見られない状況下で、私は久美とのセックスを夢想していた。久美の指先を、自分の肉棒に見立てていたのだ。ショーツの内側で激しくピストンしている様を、ただ呆然と見つめた。

「自分で出しちゃダメよ。私が出してあげるから…」
久美が喘ぎながら告げた。
まだ完全禁止はされないようだ。今夜はどんな形で頂点へ導いてくれるのだろうか?
期待に胸を踊らせつつ懸命にコントロールし、発射を抑えた。
「逝くっ、逝くぅ!」
一足早く、久美が絶頂を迎えた。白眼を剥き、断続的に身体を痙攣させている。見るからに気持ちよさそうだ。つられて私も逝きそうになってしまった。必死にこらえ、久美のエクスタシーが収まるのを待つ。
「ああ気持ちよかった。ごめんね、先に逝っちゃって…。ちゃんと我慢してくれたのね。約束通り、逝かせてあげるわ。そこに寝て」
官能の嵐が通り過ぎた久美は、射精間近の私に向かいベッドに寝るよう促した。

立ち上がった久美は、ブラウスを脱ぎ捨てた。腰のファスナーを下ろし、ミニスカートも床に落とした。
「ここまでよ、あなたが見られるのは。これすらも見られなくなるかもよ。しっかり目に焼き付けておいてね…」
薄暗い灯りの下、純白のブラジャーとショーツ、光沢のあるパンストに包まれた肢体が浮かび上がった。ブラジャーはこの前と違い薄手のハーフカップで、バストの上半分がはみ出している。ショーツもやはり薄手で、フロントに施されたレース部分から黒々とした陰毛が透けて見えた。
「どう? セクシーでしょ? 彼に言われたの。サービスしてあげるようにって。でも見るだけよ。お願いだから触らないでね…」
またしても生殺しだ。歓びに被虐心が疼いた。彼の命令に喜んで従い、私に対しても遠慮がちに指示する、如何にもM志向らしい久美の姿にも愛しさが募る。久美が顔面騎乗の形で、後ろ向きに跨がってきた。豊かなヒップが顔全体に覆い被さった。

そのまま上体を倒していった久美は、私の股間を指先でなぞり始めた。脚の付け根や玉袋、竿の裏側など、性感帯を濡れた指先が這い回る。巧みな指使いに、快感で鳥肌が立った。張り出したヒップの下で呻きながら、私は変態的願望を告白した日のことを思い出していた。

あの日も、私は久美の快感責めに翻弄され、せがまれるまま恥ずかしい性癖の吐露を余儀なくされたのだった。あれから僅か一ヶ月あまりで、私達夫婦の置かれる状況は一変した。夫婦の性生活は妻の不倫相手に管理され、私は久美の身体に触れることすらままならなくなった。性的接触が完全禁止されるまであと一歩の状態だ。あの日は我慢できなくなった私が久美を組み伏せ、正常位で思いを遂げたものだが、今はもちろん、そんな行為は許されない。
久美に刺激を加えることも出来ず、下着姿の久美から一方的に責められ、射精へ導かれることになるのだろう。いつもながら、惨めさに呻吟しつつ歓喜に涙した。

久美は、なかなか亀頭には触れてくれなかった。竿の根元はシコシコしてくれるが、肝心のポイントに近づくと、スッと指先をずらしてしまう。明らかに焦らされていた。私の反応を楽しんでるようだった。焦れた私が、亀頭への刺激を乞うても
「まだダメよ。こういうプレイは今日が最後なんだから、もっと楽しまなきゃ…」
と、まるで取り合ってくれない。一度逝ったことで余裕ができていた。まだ逝っていない私にはとても太刀打ちできなかった。上から目線で一方的になぶられる、その惨めさがまた堪らない。
「ピクンピクンしてるわ。先っちょからもいっぱいお汁が出てきた。なんだか泣いてるみたい。苦しい?」
「く、苦しいよ! 早く逝かせてくれっ!」
「どうしようかなあ…まだまだ楽しみたいんだけど。あなたが感じてる姿を見てたら、私もまた濡れてきちゃったみたい。ショーツの上にも染み出してきたでしょ?」
確かに久美の股間は湿り気を増していた。ショーツだけでなく、パンストの上にまで淫液が滲み出してきていた。鼻先にザラザラしたパンストの感触を感じながら、甘酸っぱい匂いを嗅ぎ、舌先で味わった。二重の下着に阻まれた秘唇に少しでも刺激が届くよう、必死に舐めしゃぶった。
「ああん、そんなに舐め回したら下着の上からでも感じちゃう! ダメよ、あなたの舌で感じたら彼に怒られちゃう!」
私の嫉妬を煽るような言葉で挑発したのち、傍らのコンドームに手を伸ばした。
「それ以上私にイタズラ出来ないよう、先に逝かせちゃうね」
そう言いつつ肉棒にゴムを被せた。やはりゴムを使うのか、と観念する私に、久美は追加の禁止項目を告げた。
「フェラもダメなの。手だけで逝かせてあげる」

ついにフェラチオまで禁止された。ゴム付きの手コキしか許されなくなった。いや、「今日が最後…」という事を言っていたから、明日以降はそれすら受けることは出来なくなるのだろう。それは性的接触が全てなくなることを意味していた。完全な寝取られ夫婦の出来上がりだ。
下着姿は見られるのだろうか?
せめて久美の前でオナニーすることだけは許可してほしい、そんなささやかな願望さえも、今の私にとっては贅沢なものだった。
様々な思いを巡らしている最中にも、久美が巧みな手コキで私を追い上げてゆく。私の舌技で逝かされる前に、手コキで先に逝かせてしまおうという魂胆のようだ。私も負けじと舌で舐め返したが不利は否めない。久美は一度逝っている上、肝心の部分は下着に覆われている。一方の私はといえば、ゴムで隔てられてるとはいえほぼダイレクト。しかも、いつ暴発してもおかしくないほど切迫している。到底勝ち目はなかった。そうと知りつつも「抵抗」を試みた。何しろ「最後の性交渉」なのだ。私の舌によって快感を得た記憶が、ほんの僅かでも久美の意識の中に残るよう、力を振り絞って舌を使った。
「ああん、ダメよ! そんなに舐められたら感じちゃう! あなたの舌で感じないよう、彼に言われてるのにぃぃ!」
久美は喘ぎ、更に強く股間を擦り付けてきた。言葉とは裏腹に、快感を欲してるようだ。

期待に応え、より力強く舌を泳がす。その間も久美は、私の肉棒や股間に絶妙な指技を施してくる。やはり先に音を上げたのは私の方だった。発射が迫ってきた。慌てて久美にその旨を告げた。
「逝って、逝って! 最後のプレイだからね。忘れられないくらい、気持ちよくしてあげる!」
久美に告げられたのとほぼ同時に、白濁液が迸り出た。放出時の快感がより高まるよう、これまた絶妙なタッチで肉棒をゆっくりしごき上げてくれた。最後の一滴まで搾り取るかのような動きだった。

私は久美のヒップに圧迫され、淫らな蜜の匂いとザラついたパンストの感触に酔いしれながら、ひたすら呻いた。最後の性交渉による快感に、いつまでも、いつまでも、ただひたすらに呻いていた。

久美の宣言通り、その夜以降、私達夫婦の間に性交渉はなくなった。普段の生活は寝取られ夫婦になる以前も以後も、特に変わったところはないが、こと性生活に関しては、とても夫婦とは思えない形になった。

性的な接触は完全に断ち切られた。

手を握ることくらいなら出来るが、それ以上の接触、例えば二の腕や髪の毛に触れる程度でも、そこに性的な意図を感じ取ったら即座に拒絶されてしまう。バストや股間へのタッチなどもってのほか。触ろうとする動きを見せただけで固くガードされてしまう。
かといって、性的な雰囲気そのものまでを封印してしまったわけではない。むしろ久美は性的魅力を積極的にアピールするようになった。視覚の面において私を挑発する姿勢が、ますます顕著になってきた。
裸にはならず、下着姿を露にしたりもしないのだが、下着が透けたり、下着がぎりぎり見えそうな服で私の目を楽しませてくれる。セクシー過ぎず、過度に露出もせず、清楚さを保ちながら淫らな雰囲気を漂わせる、絶妙としか形容しようがない装いで、私を虜にするのだ。
擬似的な寝取られを楽しんでいた頃から、際どいファッションで挑発するプレイはしていたが、正真正銘の寝取られ夫婦になってから、その洗練度は更に高まった。
久美自身が発する魅力にも、より磨きが掛かった。複数の男に強く愛され、激しく求められているのだという自信。連日、愛する男に抱かれ、官能の淵をさまようことによって活性化しているであろう性ホルモン。それらが渾然一体となって醸し出す魅力には、抗し難い魅力が宿っていた。

それほどまでに魅力の増した久美を間近にしながら、その肢体に欲求をぶつけることはおろか、愛撫することすら出来ない。究極の生殺し。これで平常心を保てというのは無理な相談だ。
ふと気が付くと、久美を視姦していることがしばしばだった。文字通り、目で犯した。その視線を久美も意識していた。狂おしい視線を送られることに、女として歓びを感じているようだった。
セックスレスではあるが、世に溢れるマンネリ夫婦のそれとは全く意味合いが異なる。求めても得られない苦しさの中で、壮絶な官能に浸り切っていた。不倫相手も、私とはまた違った意味で苦しさを感じていることだろう。久美の身体を堪能できるとはいえ、久美を独り占めすることは出来ないのだから。

二人の男の間で、久美は禁断の花のように香しく咲き誇っていた。

「寝室を別にするように言われたの…」
久美がおずおずと申し出てきた。やはりというべきか、同室で就寝しないよう、不倫相手から指示されたようだ。
「そんな申し訳なさそうな顔しなくていいよ」
寝取られ夫婦にとって別室での就寝はいわば「常道」。いずれそういう指示があるに違いないと覚悟していた私は、久美の背徳感を和らげる言葉を掛け、申し出を快諾した。
二つ並んだベッドのうち、自分のベッドを別室へ運び入れた。もともと書斎代わりに使っていた部屋だ。そこにベッドが加わっても何の違和感もない。
寝室には内鍵も取り付けたいという。それも不倫相手からの指示だという。自ら進んで寝取られ関係に堕ちた私が、無理やり寝室へ入り込むなんてあり得ない。そのことは不倫相手も分かっている筈だ。にも関わらず内鍵の設置を指示したのは、寝取られ関係をはっきり形にすることに拘ったからだろう。私も、はっきり形にしてもらうことを望んでいた。物理的に手を出せない状況の方が興奮が高まる。今でも、内鍵がカチャッと閉まる音を聞くたび、欲求の昂りを覚えるほどだ。

寝室が別々になってから、久美の使用済み下着をオカズにオナニーすることが日課のようになった。
久美が就寝したのちそっと脱衣室へ入り、洗濯前の下着に顔を埋める。情けない限りだが、夫婦の性的接触が完全禁止された今、久美の濃厚な匂いに直接触れる手段はこれしか残されていない。うっすらした縦染みしかない日、夥しい分泌液に覆われている日、下着の汚れ具合は日によってまちまちだが、一番興奮するのはやっぱり久美と不倫相手のミックスジュースがたっぷり染み込んだ下着だ。そんな下着を手にした日は、二人の快感に感情移入しながら最高のオナニーに耽れた。
寝室に取り付けられたのは内鍵だけなので、久美が留守の時は自由に寝室へ入れる。自分の形跡を残さないよう注意しながら、枕やシーツに久美の残り香を求めたり、クローゼットを開け、掛かっているスカートのインナーに手を這わせたりした。そうしながらオナニーすることも多かった。もちろん、匂いや汚れを残さないため、コンドームを用いることは忘れない。密やかな行為に興奮はしたが、コソ泥みたいでみっともないのも事実。
私は堂々?と久美の目の前でオナニーしたくて堪らなくなった。久美にその旨を申し入れた。

「いいわよ、あなたには辛い思いさせてるんだし…。どんな形がいいの?」
「そうだな…この前みたいにパンチラ見ながらしてみたい。明日の夜、久美が帰ったあと直ぐに…」
申し入れには快く応じてくれた久美だったが、私からの返答にたちまち顔を赤らめた。明日は金曜日。不倫相手と逢い、たっぷり愛されてから帰宅するだろうと読んだのだ。どうやら図星だったようだ。
「帰ってから直ぐ? シャワー浴びてからじゃダメ?」
困惑しながら久美が問う。久美は、今では不倫してきたあとは必ず、後始末せずに、そのままショーツを穿いて帰宅している。不倫相手からの指示に恥じらいながら従っているのだろう。その汚れたショーツを穿いたままで見せてくれと言ったのだ。戸惑うのも無理はない。
「出来れば直ぐに見たい。どうしても嫌なら無理にとは言わないけど…」
重ねてお願いした。拒まれはしなかったが、確約も得られなかった。生返事が返ってくるだけだった。恐らく不倫相手の承諾を必要とすることなのだろう。
久美は、私が汚れたショーツでオナニーしていることを知ってるのは間違いない。不倫相手も、久美から報告を受けて、そのことは把握している筈だ。今回の要望も、これまでの経緯からして当然、不倫相手に報告した上で、指示を仰ぐことになるのだろう。久美が独断で決められない以上、即答を求めても仕方ない。ジリジリしながら明日の夜まで待つことにした。

次の日、まっすぐ帰宅し、焦れながら待っていた私のもとへ、久美から電話が入った。
「仕事が予定より早く終わったから、これから直ぐ帰るわね。昨日の話…OKだから楽しみにしてて…」
ホテルの部屋から掛けてる、と直感した。行為後、官能の余韻も冷めやらぬまま、電話してきたようだ。膣内には今しがた発射されたばかりの精液が溜まっていることだろう。そのままショーツを穿いて帰り、穿いたままの姿を見ながらオナニーできる、その思いで肉棒が更に固くなった。
「ただいま…自分でしてたの?」
帰宅した久美が単刀直入に訊いてきた。隠す必要もない。久美を思いながら寸止めオナニーしていたことを率直に告げた。
「そう、嬉しい。じゃあ、見せてあげるね。でも一つだけお願い。絶対に顔を近付けないで…」
恥じらいで顔を染めながら久美が懇願してきた。やはり生々しい情交の跡を直接見せるのは抵抗があるようだ。精液の匂いを嗅ぎ取られてしまったら演技が無になってしまう、との思いもあったろう。私は、久美の思いを無にしないよう気を配りつつ、肉棒を取り出した。
「そのままソファに座って…脚を開いていってほしい」
やや離れた場所に腰を下ろし、そうお願いした。
久美は腰掛け、膝頭が徐々に開かれていった。先日のストリップとは打って変わった、ぎこちない動き。同じパンチラでも、今日は勝手が違うのだろう。情事を終えて間もない股間を晒すのは恥ずかしくて堪らないようだ。スカートの奥に目を凝らしながら肉棒をしごいた。

スカートの丈は短いのだが、あまり大きく脚を開いてくれないので、股布の部分は影になって見えにくい。汚れが充分確認できない。スカートの中に潜り込みたい衝動を抑えつつ、更なるお願いをしてみた。
「床に寝転ぶから、顔を跨いでくれないかな? 下から見上げたいんだ…」
久美は顔を紅潮させ、やや躊躇しつつも応じてくれた。頭上を、スカートに包まれた股間が覆った。ショーツの汚れがはっきり見えた。薄水色の股布が食い込み変色していた。パンストの上にまで染みが浮き出ている。ショーツの内側がミックスジュースで溢れんばかりになってるのは明らかだった。
心臓が高鳴る。呼吸を荒げ、せわしなく擦り上げた。久美は膝をもじもじさせ、しきりに脚を閉じようとする仕草を見せている。恥ずかしいのに加え、淫液が滴り落ちるのを危惧してるようだ。そんな仕草に更なる興奮を誘われた。寸止めオナニーで発射寸前だった私は、瞬く間に暴発してしまった。

私が逝ったのを確認すると、久美は慌てて浴室へ駆け込んだ。オナニーの最中、スカートに遮られて窺えなかった久美の表情が、脱衣室へ入るまでの一瞬見えた。いっそう朱色に染まっていた。
「パンチラを見られるのは、行為の最中にアソコを直に見られるより恥ずかしい」
久美からそんな話を聞いたことがある。不倫の名残を満々と湛えたままの下着姿を晒したら、なお恥ずかしかろう。演技ではない久美の素顔に接し、精神的にも深い満足感を得られた。 久美のパンチラを見ながらのオナニーが、新たなバリエーションとして加わった。

久美が帰宅した直後の、着替える前の姿を見ながらオナニーしたいので、楽しめるのは必然的に私が先に帰宅した日だけになる。それ以外の日は使用済み下着を漁りながらのオナニーだ。パンチラ・オナニーの形も、久美が不倫してきた日と、通常の仕事帰りの日とでは全く違う。不倫してきた後は、恥ずかしげな態度で言葉責めもなく、間近で見せてもくれないが、通常の日はそうではない。非常に大胆なのだ。
「裸になってみて。もう固くしてるんでしょ? 見せて…」
帰ってきた久美は、出し抜けにそんな指示をするようになった。私が素直に服を脱ぎ、体積を増してピクピク踊っている肉棒を露にすると、満足げな笑みを浮かべこんなことを言う。
「私のこと思いながら、こんなに大きくしてくれてたのね。もう私とは出来ないのにね。可哀想…」
自分との性行為を渇望しながら悶々とし、肉棒を昂らせている夫の姿を見ることが楽しくてならない様子だ。
それはそうだろう。自分がそれだけ魅力のある女だということを確認できるのだから。如何にM気質の久美とて嬉しいことに違いない。そんな時の久美は、女王様とまではいかなくても、小動物をいたぶる猫みたいな雰囲気が漂っていて実に魅力的だ。

「そこに寝て。いっぱい興奮させたげるね」
いつしか久美の方からそう指示するようになった。寝転び、肉棒をしごく私を見下ろしながら、久美は様々なポーズを取る。スカートの裾をヒラヒラと翻し、頭上の周りをゆっくり歩く。最初にストリップを披露した時と同じく、下着が見えるかどうか、ぎりぎりのラインを保った状態で。中腰になって片手を床につき、私から見て斜めの角度でスカートの裾をやや捲り、腰をくねらせる。まだ下着は見せてくれない。
ここで姿勢を変える。ブラウスをはだけ、ブラジャーを半分ほど露にした姿で四つん這いになり、私ににじり寄ってくる。両手を私の身体の左右につき、顔と上半身をぎりぎりまで寄せてくる。久美の髪の毛、吐息が私の顔に掛かる。ブラジャーが裸の胸板に触れる。その距離で身体を揺らし始めた。久美の吐息が、私の顔の上から下へまんべんなく吹き掛けられる。ブラジャーの生地が、私の胸板を上下に往き来して擦れる。

久美を抱き締めたい!
押し倒したい!

そんな欲求が極限まで高まる。しかし、それは禁じられた行為。私は久美への欲求を全てオナニーに転化させ、よりいっそう激しく肉棒をしごき上げた。
「そんなに早く逝っていいの? パンチラ見られないわよ」
私が絶頂間近になったのを察し、久美が耳元へ囁きかけてきた。
そういう風に仕向けたのは久美ではないか! なんと残酷な…
そう口をついて出そうになるのを抑え、併せて肉棒を擦るスピードも必死で抑えた。

何とか一息つけた。でも射精はもうそこまで迫っている。パンチラを早く見せてくれるよう頼み込んだ。
「苦しそうだもんね。いいわ、思いっきり近付けて見せてあげる…」
そう言うなり立ち上がり、おもむろに私の顔の上に跨がってきた。
スカートの中の光景が視界いっぱいに拡がった。スカートの生地と、その内側にまとわりつくインナー。そびえ立つ両足の奥に見えるのはパンスト越しのショーツ。仕事用のスーツなのでスカートの長さは膝丈で生地も厚い。色もダークカラーだし、加えてパンストの色も濃い目だからパンチラは見えづらい。が、その見えづらさがまたいい。オフィシャルな装いの奥に秘められた淫靡な素顔を覗き見るようで、ぞくぞくしてしまう。
久美はそのまま腰を落としてゆき、膝立ちの姿勢になった。スカートで顔がすっぽり覆われた。パンチラが眼前にまで迫った。その上、甘酸っぱい匂いとムンとした熱気にも包まれる。これでは堪らない。パンチラを見せられただけでも我慢できないのに、そこに匂いまで加わったのだ。もう限界だった。
「まだよ、もっと近くで見せるんだから。逝くのはそれから」

久美が私の暴発を制し、更に腰を落としてきた。股間が鼻先に触れた。反射的に思いっきり臭気を嗅ぐ。強烈な淫臭が脳髄を直撃した。今度こそ我慢できない。射精が近いことを呻きと共に告げた。
「まだまだよ! もう少し我慢して…」
またしても私を制止しつつ、腰を前後に動かし、股間を鼻先にぐりぐり押し当ててきた。動かすうち、湿り気まで増してきた。淫臭に湿り気、熱気が一体となり興奮で頭がクラクラの状態になった。
「濡れてきたでしょ? 何故だか分かる? 思い出してるからよ。彼とのセックス…」
挑発的な言葉責めまで繰り出し、私の興奮を掻き立てた。腰のグラインドを徐々に早めていきながら、言葉責めもどんどんエスカレートさせていった。
「ああん、入ってきたわ。彼のアレが…太くって固いアレが…ああっ!」
不倫相手との交わりを思い浮かべてるようだ。動くたび濡れが更に増し、匂いもますます強くなる。鼻先が割れ目にめり込む。窒息しそうな圧迫感の中、スカートの外から響く言葉責めにも追い上げられた。
「ああん、深く入ってきた! もっと突っ込んで! 子宮を壊して! 太いアレで…ぶっといチンポで!」
途中から下卑た隠語まで使いだした。普段の久美からは想像もつかない言葉遣いだ。自ら発する下品な言葉で、自らの興奮も掻き立てているのだろうか。ひたすら、うわ言のように繰り返した。
「ああん、チンポ最高!チンポいい! もっともっと深く突いて! チンポで、ぶっといチンポでぇ!」
下卑た言葉を喚きたて、久美はパンストに包まれた股間を私の顔面で擦りまくった。

久美が隠語を発する姿を妄想しながらオナニーに耽ったことはあるが、直に聞くのは初めてだった。想像していた以上に衝撃的だった。セックスの際に、人が変わったように大胆になる姿は知っていたが、そこに隠語が加わるだけでここまで興奮を掻き立てられるとは思わなかった。
「あうっ、チンポが奥まで入ってくるぅ! でも挿れられるのは彼だけ…あなたには触らせるなって言われてるから…あなたのチンポも触ってあげられないの…ああっ!」
快感に我を忘れてるように見えて、寝取られマゾの立場を自覚させることも忘れない。一見、夫婦間の性行為が復活したかに思えても、私は一方的にいたぶられてるだけ。久美の妄想オナニーのオカズにされているだけに過ぎない。自分は性パートナーではない、不倫相手と久美の性的興奮を高めるために存在する奉仕者なのだと、否応なく思い知らされた。

同時に感慨深かった。久美が文字通り夫の顔を尻に敷き、一方的に擦りつけて快感を得る味を覚えてくれたことが。Sっ気に目覚めたのだろうか? 今日の行為は当然、不倫相手から指示を受けた上でのことだろうが、久美の積極さを見れば、ただ命令に屈したわけではないのが分かる。言葉の端々にこそ、相変わらず「彼に言われたから」との表現を盛り込んでいるが、それはある種の言い訳だろう。不倫にのめり込みたい、夫を性的に従属させたい、そんな本性が久美にも潜んでいるのだ。清楚な仮面の下に隠された魔性を、はっきりと見て取った。

「ああっ、逝きそう! 彼のチンポで逝っちゃうぅ!」
久美が妄想オナニーで絶頂が迫っていることを告げた。窒息するかと思うほど、股間を口元へ強力に押し付け、激しく腰を前後させてきた。我慢の限界を越えていた私も、ふさがれた口で大きく呻き、射精することをアピールした。
今度は久美も止めなかった。下着を穿いたまま久美が絶頂を迎えた。びくびくと痙攣する久美の股間の下で、ほぼ同時に私の快感も炸裂した。久美は絶頂の余韻に合わせ、股間を緩やかに前後させていたが、快感が収束してゆくと私の顔面から股間を外し、崩れるように傍らに倒れ込んだ。脚を開いた拍子にスカートの裾が大きく捲れ上がった。股布が激しく食い込み、外から見ても分かるほど濡れそぼっていた。

快感の名残を露にしていた久美だったが、余韻が収まるとたちまち普段の羞恥を取り戻した。膝を閉じて乱れたスカートも直し、下着を覆い隠してしまった。横座りの姿勢になり、スカートの裾を固く押さえたまま、気まずい表情で私を見つめていたが、直ぐに無言で立ち上がり、浴室へ向かっていった。
射精の余韻に痺れながら、私は久美の魅力を再認識していた。淫乱な娼婦の顔と清楚な淑女の顔、久美は両極端な顔を備えている。のみならず、両者が瞬く間に入れ替わるのだ。その変化のスピードにも驚嘆させられた。これが演技だとすれば天才だ。久美自身も演技なのか地なのか、判然としてないのではないか、と思った。冷静さを取り戻したあと、気まずさを露にする久美は、淫乱さを剥き出しにしている時の久美と同じか、それ以上に魅力的だ。
それらが演技であっても構わない。たとえ演技でも、極めれば真実と変わらなくなるのだから。

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