聞いてくれ。昔喧嘩ばっかりやってた頃、彼女がいた。
不良ぶった感じの態度に惹かれるのは若気のいたりだ。悪さをしてスゲーエピソードを作れば作るほど彼女とのキズナが深まった。
付き合って二年ほどした頃、悪でかなりの有名人になってたんだが、そのせいで他校のつわもの達が続々と挑戦しにきた。二度三度返り討ちにはしたんだが、一人本気で強い奴が現れた。
そいつはかなりのデブで相撲をやってるらしかった。どんな攻撃も奴の脂肪にはきかない。奴のはりて風のパンチがアゴにモロヒット。根性とか気合とかそんなんで踏ん張る暇なく気絶したらしい。
しばらくして意識が戻り、状況を把握するために周りを見渡すと、そこには奴の姿はなかった。そして俺の彼女の姿もなかった。嫌な予感がしてあたりを探す。
近くを探し回っていると近くのファミレスに野郎が乗ってきたチャリと、彼女のチャリがある。なぜなのかはわからなかったがノックアウトされた怒りがおさまりきれないので、猛ダッシュでファミレスの中に突っ走った。中に入ると彼女と野郎の姿が見えない。くまなく探し回ると、トイレの入り口に知った顔がいる。そいつはダチのKで、何をしてるのか尋ねると、ファミレスの外に連れ出された。詳しい話を聞くと、ノックアウトされて倒れた後、気絶してるのにも関わらず野郎は追撃を浴びせ始めたらしい。
気絶してるから完全なる無防備。そのまま殴られ続ければ死にはしないかもしれないが一生残るような傷を負わされる。彼女もそれを予想したのか、女なのに野郎を止めようと体をはった。
それでも止まらない野郎に何でもゆうこと聞くからゆるしてと懇願したらしいのだ。すると野郎はピタリと追撃を止め近くのファミレスに彼女を連れて去ったというのだ。
Kに凄まじく腹が立った。彼女が連れ去られているのにそれを見送ったんだから。だがそれ以上に自分に腹がたった。ファミレスの壁を幾度か殴りつけ、痛みで怒りを抑えた後、申し訳なさのためか半なきになってるKを置いてファミレス内に戻る。喧嘩と殺しの区別ができてるつもりだったはずだが、さすがにこの時は鑑別を覚悟して客が帰り食器がまだテーブルにある所からフォークを頂いた。
便所に入り、男子便所に入ったがいない。次に女子便所に入ると人の気配がする。すぐさまそこいき鍵のかかってるドアをタックルする。向こうが鍵を開けるのを待つ気はない。ドアが崩れるまでタックルしてやろうと思った。すると中から野郎が出てきた。その後ろには彼女がいた。
完全にブチ切れたのか、殺す覚悟が整ったのか怒りが消失した。本当に人を殺そうと思った時に怒りはいらない腕を前後に動かせばそれで相手は死ぬ。すっと前に一歩、歩み出て、右腕を前に突き出す。しかし刺さらない。アホだった。ナイフじゃなくフォークを持ってきていたのだ。
これじゃ学生服を通さない。野郎は光物をもってたのを見て一瞬あせったようだったが、刺されないと確認した瞬間物凄い勢いで突っ込んできた。それをまともに受け後ろの壁に綺麗に後頭部から叩きつけられる。
コーンと変な音が頭の中に響いた。嫌な気持ちになった。やばい所を打ったんじゃないだろうか。そう思った。なぜか足に力が入らなくなり、そのままズルズルと壁をつたって地面に座り込んだ。
その時便所に数人誰かが入ってきた。野郎の仲間だった。野郎の仲間はまたも追撃をしようとしてた野郎を止めた。また殺しかけてるよ。頼むからやめてくれよ、となだめられる野郎は落ち着いて、何度か侮辱する言葉を吐いた後タバコをすい始めた。唾がたまったのか、唾をこちらに吐きかけた。
唾を拭う力も出ない。その後今回の喧嘩の話を最初から仲間にいばって話す野郎。話が彼女にフェラさせたって所まできて、思い出したかのように個室の奥にいた彼女をひっぱり出す。
仲間にコイツなんでもやるぜと気の利いた説明を始める。仲間はじゃあ俺達のも頼むといって、仲間数人と彼女が再び個室に入っていった。体が全く動かない。
絶望感のためか便所のタイルの一箇所をずーっと眺めてた。笑い声が聞こえる話し声も聞こえる。どうやら一人は童貞らしい。どうやってセックスしようかと相談している。
どうやら彼女をはいつくばらせたらしい。そしてセックスを始めた。彼女が声を出さないので、出せと強要する声が聞こえる。それでも出さないので叩く音が聞こえる。泣き声が聞こえ始める。拍手が聞こえる。童貞卒業をみなで祝っているようだ。30分くらいしてファミレスの店長らしき人がやってきた。
即座にそれを仲間に伝えた野郎。仲間達は何もなかったように出てきて去っていった。店長は状況を見て救急車を呼ぼうかと聞いてきた。その頃救急車を呼ぶなんてことは自尊心がゆるさなかったので、まともに立つ事もできないのに断った。
その後入ってきたKに手伝ってもらってようやくファミレスからでた。彼女は何もいわずに自転車で帰っていった。怒りをぶつけてもらった方がまだよかった。
次の日、体が全身筋肉痛になったかのように動かない。このままの状態で一生生き続けるのかと不安になり、震えながら一週間を寝て過ごした。
布団の中にいる間、野郎への復讐心を磨き続けた。この後野郎との再決戦のためボクシングを習い、それがきっかけでプロボクサーを目指す事になるんだが、そこらへんは既出になるからやめとく。

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