大学入学を切掛にイメチェンしようと心に誓ってた。高校時代はメガネで三編み、チビで貧乳で、おとなしくて、休み時間は机でラノベやWeb小説を1人で読んで、恥ずかしくてコスプレしてるのも誰にも言えない、そんな風に過ごしていた。
まず、メガネと三編みを止める。オタクなのは変えられないから、せめてサークルに入って、誰かと話せるようになろう。それから、彼氏が出来たら嬉しいなぁ〜。っ、思ってたら入学式から2週間も経ってた……今更、入れてもらえるサークルあるのかなぁ?アニ研やマン研なら、気にしないで入れてもらえるかな?取り敢えず、変わろう!って決めたんだから、行ってみよう!
あと一週間もすればGWになってしまうという頃、アニ研のドアの前まで来た。
ふ〜っと一回大きく息を吐いてから、ノックして開ける。
「こんにちは、一年の近藤です。にゅうか……あれ?」
誰もいない?一度、外に出て【アニメ/ゲーム研究所】という少しおかしな名札を確認する。
「誰も来ないのかな?」
ボソッと呟いたとき、背後から声がする。
「おや?新入生かな?」
うわっ、キレイな人だ。
「あっ!はい!近藤と言います。サークルに入会させて下さい。」
「うちは適当なヤツばっかりだから、まともな活動したかったらマン研か美同に行った方が良いよ?まあ、そんなんでも良かったら歓迎するよ。困ったことがあったら、あたしか……あたしに言って。」
あたしか……あたし?思いつく人がいなかったのかな?
「あ、はい。分かりました。」
「うん、そんじゃ、よろしく。あたしは4年で一応、サークル長の二宮、だいたいのヤツに、ユーコって呼ばれてるから、そっちで呼んでね。」
「近藤 綾です。」
「おっけー、あやちだね。」
うわぁぁ、いきなりあだ名みたいのつけられちゃった。
「テキトーに座って、テキトーに何かしてて良いからね。何もしなくてもオッケーだし、ただ駄弁りに来てるヤツもいるからさ。気楽に遊びに来てね。」
「あ、はい。」
見回すとコミックや雑誌が適当に平積みされてる。
「そこらにあるのは自由に読んでおっけーだから。」
二宮先輩の他にも宇野先輩、佐伯先輩とか何人か女の人が居た。はじめは戸惑ったけど普通に話してくれるし、アニメやゲームの話が多いから、わたしも普通に話せるようになっていった。
サークルに入ってそろそろ一ヶ月、話が合う人たちが分かってきた。わたしをチラチラと見てくるのに青柳先輩はあまり話しかけてこない。けど、同じモノが好きだったり、話せば楽しいんだけどな。
「誰も来ないなんて、珍しいですね。」
「そうだね。どうしたんだろう?」
さっきから青柳先輩、下向いたまま固まってるけど、大丈夫なのかな?
「青柳先輩、どうしたんですか?体調不良ですか?」
「だ、大丈夫。ただ緊張してるだけだから。」
「なんで緊張してるんですか?」
「綾ちゃ、、近藤さんと二人きりだから。」
「わたしと二人きりだと、なんで緊張するんですか?」
緊張?本当かな?具合悪いの誤魔化してたりしないよね。わたしは身を乗り出して、ちょっとだけ確認しようと思った。
「あ、えっと…近藤さんg」
「綾、で良いですよ。ほとんどの人に名前で呼ばれてますから。」
名前で呼んでくれて良いのになぁって思ったら口に出てた。
「あ、あの、綾ちゃんが…」
「はい、わたしが?」
「好きだから!僕の理想なんだ。」
「………」
好き?わたしを………?聞き間違えたのかな?
「えーっと…わたしの事が好きなんですか?」
「うん、好きなんだ。だから…」
聞き間違えじゃなかった…なんだか嬉しくなってきた。
「だから?それで、お仕舞いですか?」
「だから、緊張してるんだ。」
先輩、耳まで真っ赤になってる。
「だから、それでお仕舞いですか?わたしは彼氏いませんけど?」
わたしはドキドキしながら、身を乗り出して、彼氏がいないアピールする。
「先輩?どうしたんですか?」
「あ、あぁっと、綾ちゃん…えと、服。」
「ん?先輩?服?…それより、わたし、彼氏いないんですけど?」
思い切ってアピールしてるのに青柳先輩がまた、目を逸らそうとするから両手で顔を掴んでまでこっちを向かせようとしてるのに全力で抵抗されてる。
そんなにわたしの方を観たくないのかな?
「綾ちゃん、服っ!そのっ…胸元が……」
「ん?服?胸元がどうかしましたか?」
両手の力が少し弱まってくれた。
「その…ブラが………見えてる。」
「っ!?」
ガタッ!
「っ!!にゃぁぁ~~ぁ!」
慌てて胸元を押さえて飛び退く。見られた!?
………耳が熱い。
「見たんですね!?何処まで見えちゃったんですか?あ~っっ!にゃ~ぁ~っ!!」
「あっ、えっと、あれっ!」
「……ぅ。」
恥ずかしい、見られた………ブラ浮いてなかったよね?もう、泣きそう。
「ブラだけだからっ!そうっ!ブラに包まれた小っちゃい、可愛い膨らみが…」
「うにゃ~~っっ!見たんですね?見たんでしょ!ブラが浮いてて、それで……見たんですよねぇっ?」
全部見られた!?ちっちゃなおっぱいを見られた?はじめては大好きな彼氏に見てもらいたかったのに…まだ、彼氏も出来てないのに!
「いやっ、そこまでは見てない!見えてない。」
青柳先輩は顔を伏せて、両手を大きく振って必死になってる。
「本当に!ちっぱいの膨らみが!見えただけだよ!」
ぅぅ、…本当に泣きたい、消えたい。
「どうせ、ちっぱいです、貧乳ですぅ。」
「あ、いや、あの、それも含めて僕の理想だから!」
理想なら彼女にしてよ………
「わたし、彼氏いないんですけど…?」
「僕の彼女になって貰えますか?」
「えっ!?今、なんて………?」
思わず聞き返しちゃった。
「えっと…僕の彼女になって貰えますか?」
「はい、先輩。私を彼女にしてください。」
良かったぁ…何でもないって言われたらどうしようかと思ったよ。
その後も誰も来ないので、二人で帰ることにした。
「あの、それでね、綾ちゃん。」
なんか嬉しいなあ、男の子に綾ちゃん呼びされたのって何時依頼だろう?
「はい、何ですか?」
「僕たちが付き合い始めるのは、暫く内緒にしておこう?」
「はぁ?何でですか?」
何だろう、1人で浸りたいとか?
「サークル内恋愛禁止…」
「え?…」
「そんな決まりはないと思うんだけど、うちのサークル内で付き合ってるって人を聞いたことがないんだ。」
そんな決まりはないだろうなぁ、でも、まあ、良いか。
「そうなんですか?」
「それに僕たちも付き合おうってなっただけで、まだ、恋人って仲にもなれてないしね。」
「じゃあ、恋人って感じになったら、宣言しましょうね!」
「うん、それまでは僕たち2人だけの秘密だよ。」
早く宣言して欲しいなあ、わたしにも彼氏ができたって言いたい、実感したいな。

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