9月の終わり頃、猫飼先輩の家で遊んで帰る時に『新刊あげるから帰ってから開けてな』って紙袋を手渡されてうっきうきで自宅に戻った。さぁ〜って、ゴマ団子さんの、先輩の新刊のネタは何だろう?
袋から取り出して目に入った表紙には夏コミ打ち上げの時にわたしが脱いで先輩の部屋でハンガーに掛けた服………???『あやち本』!?
落ち着け!わたし!!
大きく息を吐いて、大きく吸って、吐いてー、吸ってー、はいっ、落ち着けないよぉっ!
でも!まず表紙をめくって…
『先輩、そこ、舐めちゃ駄目です。』
割れ目を開くと、小さくポチッと主張するクリトリスを突き、ひくつきながらトロトロと愛液を溢れさせる腟口を舐められる。
『んっ…あっ…んんんん〜、はっ、あぁ。』
瞳を潤ませ、半開きの口で浅い呼吸を繰り返し先輩を見つめるわたし………
にゃ〜〜〜〜っっ!!
ばんっ!ばんっ!ばんっ!
あやち本を閉じて奇声を上げ、薄い本の表紙を叩く。
新刊…新刊?………新刊って言ってたよね?え?………まさか、これ売るの?慌ててスマホの通話ボタンをタップする。
「先輩!先輩!!あのっ!こ、こここここ、これ!このっ!」
『あやち、どうした?落ち着け。』
「おっ、おち、落ち着けないです!新刊って、これ!売るんでふか!?」
『あやち、落ち着け。それは売り物じゃない。』
「売り物じゃない?………良かったぁ。」
心から安堵のため息。
『ごく少数の土産物だ。』
「ごく少数………土産物?あげるんですか!?誰に!?ダメですよぉ〜!直ぐ先輩の家に行きますから、話し合いましょう!」
あやち本をトートバッグに投げ込んで肩に掛けて部屋を飛び出す。
にゃ〜〜〜ぁっ!先輩、何考えてるのぉ〜〜!?!?
「ぜぇ、ぜぇっ、ぜぇっ………」
荒い呼吸のままインターホンを押す!
「はいはい?」
「わたしです!綾です!」
「おお〜、あやち、早かったな。今、開けるな。」
勢いのまま来ちゃったけど、大丈夫だよね?取り敢えず前髪を押さえて、スカートをチェック…こっちは大丈夫。
「入れ、入れ〜。」
「お邪魔します。」
さっき帰ったはずのわたしが現れたせいでゴマ様と団子ちゃんが不思議そうな顔をしているように見える。
リビングで腰を下ろした先輩に2匹は擦り寄って甘えている。
「んで、どした?」
「あ、あのっ、これ!」
慌ててトートバッグから『あやち本』を取り出す。
「どうだった?なかなかエロく描けてるだろ?」
かぁーっと耳が熱くなる。
「ど、どどどどうして、こんなっ…わたっ、わたしのエッチな薄い本ができてるんですか!?それに土産物って………」
「打ち上げの帰りにヨーコが期待してるって言ってただろ?」
「え?」
あ、そんな事を言ってたような気がする。
「まあ、その時の気分で俺は彼女をネタして描くことがある。売り物にはしないし、欲しそうなヤツには印刷してあげるんだよ。」
「あげるって………これは、誰にあげたんですか?」
涙が込み上げてくる。
「まだ、誰にもあげてない。あやちの反応見てから決めようと思ってた。」
良かった…本当に良かった!こんなの見られたら恥ずかしくて顔を合わせられないよ。
「そうは言っても2冊は決定してるけどな。プラス2はしたいところだけどダメか?できればサークル内に行き渡らせたい。」
「決定………?と追加って誰ですか?」
声が震える。
「ヨーコとヤギは決定だな。」
「ユーコ先輩と………青柳先輩?」
床についた腕がプルプル震えてる。
「ヨーコは欲しがってるし、ヤギは俺があやちを寝取ったし、これでシコっとけって餞別だ。」
「寝取っ…た?って、わたしまだ、先輩とエッチしてないです!」
「そーだな、でも、そのうちするだろ?」
「します、しますけど…エッチは誰かに見せるものじゃないし…それに先輩は自分の彼女の裸を他の人に見せたいんですか?」
先輩を睨んでしまった。
「そんな似てたか?」
「………はい。」
「俺の妄想力は凄いだろ?なあ、あやち、これは『あやち本』で『近藤綾の本』じゃない。『あやち』っていうキャラの本だ。それと『ヨーコ本』はあるけど『二宮結子の本』はない。」
「う〜ん。」
「元ネタになる人はいても、キャラ付けされているネタ本だ。実際にやった後で描くと、妙に生々しくなってダメなんだ。だから妄想で済む間に描いたんだ。」
「ユーコ先輩は『ヨーコ本』を見てどうしたんですか?怒らなかったんですか?」
「あいつは床バンバン叩いて、腹抱えて笑い転げてた。あやちに同じ反応されても困るけどな…」
何でそんな反応なの?誰かに見られたらとか考えなかったのかな?恥ずかしくないのかな?
「どんな内容なんですか?」
「当然、エロだ。ただ、今のヨーコからは想像できないような可愛さと可憐さが溢れてる。まあ、マシマシで描いてるのもあるけどな。」
そう言った先輩は床を叩いて笑いだした。
「可愛さ?ユーコ先輩って可愛いというより格好良い…ていうと変かな?綺麗って感じですよね。」
「あいつの中身を知らなければ、クールビューティーって印象かもな。」
「そうですね……って知ってても綺麗なことは変わらないですよ!?」
「そんなフォローしなくて良いぞ?ヨーコ本、印刷して持って帰るか?」
「え?…良いんですか?」
「そこは現彼女の特権だろ。あと1人分あるけど、そっちは残念ながらダメだな。」
「はあ、まあ、それは良いですけど………」
ユーコ先輩の本を貰えるだけでもラッキーかも…ってそれは目的じゃない。
「さっきも聞きましたけど、先輩は何で『あやち本』を描いたんですか?わたしの恥ずかしい姿を誰かに見せたいんですか?」
「さっき話と被る部分もあるけど、半分はネタで、半分は『俺の彼女って可愛いだろ?』って自慢だ。」
「ネタと自慢…」
「だから、できれは多くのヤツに見せたいけど、あやちが嫌なら止める。」
「う〜ん………」
自慢と言われると嬉しい気もするけど、恥ずかしいのは変わらないな。
「追加したい2人って誰ですか?」
「ヤスと氷見だ。ヤスにはお礼とか、コミケ乙とか色々だな、氷見はあやちのコスも協力してくれたお礼含めてだな。」
「辻先輩と氷見先輩…凄いお世話になったし……うぅ〜ん。」
お礼って言われちゃうとダメって言い難いなぁ…
「あやちは嫌なら嫌、ダメならダメって言いな、流されるなよ。」
「はい、えっと……辻先輩と氷見先輩はお礼もあるし良いです。でも、サークル室はダメです、絶対ダメです。」
「うん、わかった。じゃあ、あやち含めて5冊な。それ以上、印刷しない。」
「はい。それでお願いします。」
これを見られる人は最小限に抑えられたのかな?
「どうする?あやち、戻って来ちゃったけど。泊まってくでも良いし、帰るなら送ってくよ。」
「えぇ〜っと…」
本当にどうしよう?何も考えずに飛び出しちゃったし…晩ご飯食べてない、と思ったらお腹が鳴った。
「俺も晩飯食ってないな。取り敢えず何か食ってからにしようか?」
先輩はそう言うと立ち上がってキッチンに向かう。
「はい…」
何も言わないけど、やっぱり聞こえてたんだよね…?
「あやちは何が良い?」
「そうですね……………」
先輩と晩ご飯を食べた後、お風呂を借りてしまい、結局お泊まりすることにした。それで、この前みたいに先輩のTシャツを着て、先輩のベッドで横になる。ちょっとだけ違うのは先輩に背中を向けて抱っこされたら『あやち、おっぱい触って良い?』と聞かれて『はい…』と答えてしまった。そしたら先輩の大きな手で、わたしの小さな胸を包みこまれて『あやち本でエッチの予習しといてね』と言われてドキドキしながら、また『はい…』と答えてしまった。

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