可愛い!
小っさくて、膝がギリギリ隠れるくらいのスカートから覗く白くて細い脹脛、小さくてキュッと締まったお尻、細い腰、小さなおっぱい…そして、長いポニーテールが揺れている。彼女の見た目は完璧で僕の理想の天使だ。
新学期になったばかりのキャンパスで見かけた彼女は多分、新入生なんだろう。まあ、僕には接点がないな、そんな風に思っていたら4月が終わる頃、信じられない事にアニ研に入ってきた。あんなに可愛い女の子がオタクだったなんて驚いたけど、本当にラッキーだ!テーブル越しに見られるだけで、テンションが上がる。
自己紹介で判明した天使ちゃんの名前は近藤綾。
はじめのうちは少しオドオドしてたけど女の先輩たちと話しているうちに段々、僕たちとも普通に話せるようになっていた。綾ちゃんと話していたら僕と同じアニメが好きだったり、ゲームも好きだってことが分かって凄く嬉しくて、どんどん好きになっていた。
そんな天使に告白しようと決心して家を出る、今日こそ告白しようと思って玄関の鍵を掛ける。よし、今日のお昼に、12:42に告白しよう!
何回、そう決心しても告白できないまま、5月中旬になってしまった。
僕は自信がない。
イケメンじゃないし、背も高くないし、運動も苦手だし、頭は同じ大学にいるんだから、同じくらいだろう。イラストだけは自信があった。あった…そう、過去形だ。先輩たちが描く同人誌、そして『落書き』と称するイラストを見て少しだけあった自信もプライドも打ち砕かれた。今でも僕のイラストが上手い、好きだと言ってくれる人もいるけど、お世辞なんだろう、そんなふうに思ってしまう。
僕は自信がない。
でも、告白するんだ。多分、フラれる。でも、万が一の奇跡があるかもしれない。いや、そんなはずないか。でも、ひょっとしたら…
「誰も来ないなんて、珍しいですね。」
「そうだね。どうしたんだろう?」
まずい、綾ちゃんと二人きりだ……心臓バクバク、口はカラカラ、喋ろうとしても言葉が浮かばない。
「青柳先輩、どうしたんですか?大丈夫ですか?」
まずい、心配させてしまった。
「だ、大丈夫。ただ緊張してるだけだから。」
「なんで緊張してるんですか?」
あぁっ、余計な事を言った。
「綾ちゃ……近藤さんと二人きりだから。」
やばい、綾ちゃんって呼びそうになった。
「わたしと二人きりだと、なんで緊張するんですか?」
向かいに座っている綾ちゃんが少し前屈みになると、ふわぁっと長い髪が流れ落ちて良い匂いがしてきた。
「あ、えっと…」
何て言おう。
「近藤さんg」
「綾、で良いですよ。ほとんどの人に名前で呼ばれてますから。」
うわぁっ、言い間違えたの聞かれてた!
「あ、あの、綾ちゃんが…」
「はい、わたしが?」
「好きだから!僕の理想なんだ。」
「………」
黙って小首を傾げている綾ちゃんは可愛い。あ?僕は何を言った?
「えーっと…わたしの事が好きなんですか?」
あああああああっ!終わった!何もかも!あぁっ!!
「うん、好きなんだ。だから………」
「だから?それで、お仕舞いですか?」
「だから、緊張してるんだ。」
「だから、それでお仕舞いですか?わたしは彼氏いませんけど?」
綾ちゃんが僕を覗き込むように身体を乗り出してくる。うわぁぁっ!?どうすれば?…どうすれば良い?
…………
綾ちゃんの緩い胸元からブラに包まれた小っちゃなおっぱいの膨らみがあぁぁぁぁっ!?!?!!!???
僕は慌てて全力で目を背ける。
「先輩?どうしたんですか?」
「あ、あぁっと、綾ちゃん…えと、服。」
「ん?先輩、服?…それより、わたし、彼氏いないんですけど?」
綾ちゃんは小さな両手で僕の頭を掴んで、自分の方に向けようとする。
「綾ちゃん、服っ!そのっ…胸元が……」
綾ちゃんのちっぱいを見たい!…けど、見ないように全力で抵抗する。
「ん?服?胸元がどうかしましたか?」
両手の力が少し弱まってくれた。
「その…ブ、下着が………見えてる。」
ちっぱいとは言えない。
「っ!?」
ガタッ!
「っ!!にゃぁぁ~~ぁ!」
慌てて胸元を押さえて耳を真っ赤にして、床に小っちゃく丸くなって座っている綾ちゃんが、めっちゃ可愛い!
「見たんですね!?何処まで見えちゃったんですか?あぁ~っっ!にゃ~ぁ~っ!!」
「あっ、えっと、あれっ!」
変な汗が出てくる。
「……ぅ。」
「ブっ、ブラだけだからっ!そうっ!ブラに包まれた小っちゃい、可愛い膨らみが…」
「うにゃ~~っっ!見たんですね?見たんでしょ!ブラが浮いてて、それで……見たんですよねぇっ?」
涙目で小っちゃな握りこぶしをぶんっぶんっ!と上下に振り回す。
ちっぱいに合ってないカップのブラをしてる自覚があるんだなぁ。
「いやっ、そこまでは見てない!見えてない。」
俯いて、両手を振って必死に事実を伝える。
「本当に!ちっぱいの膨らみが!見えただけだよ!」
あ?なんか変なことを言った気がする。
「どうせ、ちっぱいです、貧乳ですぅ。」
段々、声が小さく消えて行く。
「あ、いや、あの、それも含めて僕の理想だから!」
あ?なんか、もう……
「……わたし、彼氏いないんですけど…?」
耳を赤く染めて、涙目で見詰められている…
「…ぼ、ぼくの、カノジョにナってもらえマスか?」
口の中がカラカラで声が裏返った…アクセントも変だったような…
「もう1回、ちゃんと言ってください。」
……ダメだしされた…
「えっと…僕の彼女になって貰えますか?」
「………」
今度はちゃんと言えたかな?
「はい、先輩。私を彼女にしてください。」
マジか!?あぁ~っ!こんなに嬉しいことはない!(涙)
誰も来ないので、二人で帰ることにした。
「あの、それでね、綾ちゃん。」
「はい、何ですか?」
笑顔が眩しい。
「僕たちが付き合い始めたのは暫くの間、内緒にしておこう?」
「はぁ?何でですか?」
綾ちゃんみたいな可愛い女の子が僕の彼女だと知られたら可哀想だ。
「サークル内恋愛禁止…」
「え?…」
「そんな決まりはないと思うんだけど、うちのサークル内で付き合ってるって人を聞いたことがないんだ。」
「そうなんですか?」
腑に落ちないという感じだなあ。
「それに僕たちも付き合おうってなっただけで、まだ、恋人って仲にもなれてないしね。」
「じゃあ、恋人って感じになったら、宣言しましょうね!」
「うん、それまでは僕たち2人だけの秘密だよ。」

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