「はあぁぁぁぁぁっ!マジかっ!?夢じゃないよな。」
お風呂で今日起きた奇跡を思い出して昂揚感に包まれている。まさか、綾ちゃんに彼氏がいなかったなんて!まさか、僕の告白を受けてくれるなんて!
綾ちゃんが僕の彼女!?
僕が綾ちゃんの彼氏!?
神様!奇跡をありがとう!!(滝涙)
今日の綾ちゃんは特に可愛いかったなぁ!ピンクのブラとちっぱいの膨らみが最高に可愛いかった。僕が彼氏ってことは、あの綾ちゃんのちっぱいを触れるときが来るってことだよな。それに…僕のちんこを綾ちゃんが触ってくれるときが来るのか!?最っ高過ぎるぅっ!
すうぅぅ………うっ……はあぁぁ……………
でも、その前にデートだよな…デートか…デート?ど~すりゃ良いんだ!?どうやって誘う?いや、誘う前に行くところ決めなきゃダメか?あ、その前にデートに来てく服なんて無いよ?あああああああああっ!ど~~~すれりゃ良いんだ?
「青柳先輩、明日の午後って予定ありますか?暇だったら買い物に付き合って欲しいんですけど?」
あれから10日くらい経った日、綾ちゃんが二宮先輩ではなく、僕の予定を聞いてきた。
「え?僕の予定…?」
「はい、そうです。」
「女の子の買い物だったらユーコ先輩の方が良いんじゃない?」
先輩の方を見てみる。
「あたしは予定があるから断ったんだ。」
「そうっすか…僕は…」
どうしよう…予定はないけど、綾ちゃんと買い物とか……他の人にデートって思われないかな?ぐるっと見回したけど、みんな特に興味はなさそうだ。
「まあ、その…暇だけど…?」
「なんだよ、ヤギ、あやちとの買い物は嫌なのか?」
「いやいやいや!嫌な訳ないじゃないですか!僕なんかが一緒に行っても役に立つのかな?ってだけです!」
「私はまだこの辺、慣れてないので案内が欲しいんです。」
「う、うん、分かったよ。まあ、案内くらいならできるかな…?」
「じゃあ、明日の13時に三門駅南口のロータリーで待ち合わせで良いですか?」
「うん、分かった、良いよ。」
「じゃあ、明日お願いします。すみませんが私はお先に失礼します。」
「うん、分かった、お疲れ様。午後1時に三門駅のロータリーで。」
「ほーい、おつかれさん。あやち、またね~。」
待ち合わせを決めてからそそくさと綾ちゃんは帰っちゃったな…その後、僕も10数分後にサークル部屋を後にした。
遅刻しないように、でも早すぎないように最寄り駅で時間調整をして三門駅に向かう。そして、待ち合わせ場所が目に入ると綾ちゃんがもう、待っていて僕は慌てて走り出した。
「ごめん、遅くなっちゃったみたいだね。」
「大丈夫です、まだ13時になってませんから。」
綾ちゃんの服装を見て、僕はちょっと後悔した。
「さあ、行きましょう?」
「あ、うん。」
歩き出す綾ちゃんの後ろ姿を見て改めて、僕の天使の完璧さを実感する。そして、今日もいつも通りの服装にしたことが間違っていたように感じて、綾ちゃんの横を歩くのが躊躇われる。
「どうしたんですか?」
数歩先で足を止めた綾ちゃんが振り向いて小首を傾げる。
「あ、いや、何でもないよ。」
何でもないふりをして僕は、なるべく真横じゃなくて少しだけ後ろに着いていくように歩き始めた。
「え~っとさ、綾ちゃん。」
「はい、何ですか?先輩。」
アニメイトの次に行った本屋を出たところで気になったことを聞いてみる。
「この辺りは慣れてないから案内して欲しいって昨日言ってたけど…」
「………。」
綾ちゃんは僕を見上げて次の言葉を待っているようだ。
「綾ちゃんが先に歩いてて、僕って必要なくない?」
ちょっと肩を落として俯いた綾ちゃんから
「…本当に案内が欲しいと思ってたんですか?」
そんな言葉が帰って来た。
「…違うの?」
「デートですよ、デート。」
「……デート?」
「そうです…私はいつも通りっぽく見えますけど、それでも意識したコーデにしてきたんですよ?」
「う、うん…すごっく可愛いと思う。」
にっこりと笑う綾ちゃんが輝いて見える。
「ありがとうございます。じゃあ、行きましょうか。」
デートと言われて僕はますます気後れしてしまい、この後の記憶がはっきりしていない。
最初のデートは綾ちゃん主導になってしまったし、かなりキョドッてたと思う…次こそは、って悩みに悩んで慎重に時と場所を選んで断られないか、誘い過ぎてないか、ドキドキしながら予定を聞いた。3回目のデートで手を繋げたけど…何回目でキスできるかな?
今年の夏コミは…綾ちゃんと二人で回ろうか?でも、目的のサークルが違ったら時間のロスが大きくなるな。
早目に相談しておかなきゃな。そう思っていた翌日。
サークル部屋に顔を出すと二宮先輩と綾ちゃんが話しているところに遭遇した。
「こんちは、お疲れっす。」
「こんにちは、お疲れ様です。」
「よ、乙~。」
丁寧な返事をしてくれる綾ちゃんとぞんざいな返事の二宮先輩。
「そかそか…」
「ユーコ先輩、どうかしましたか?」
「衣装は自作するの?」
「それほど器用じゃないので、既製品をカスタムする予定です。」
綾ちゃんがコスプレ!?うおぉぉっ、見たい!何やるんだろう?
「そかそか、そ~か~、あたしに衣装作らせてくれない?」
「去年までは先輩の衣装を作ってたんだだけどさ、【社会人になったし引退、今年からコス参加しないんだ】って言われてさぁ~。」
先輩というと、鳩原さんか。去年しか見てないけど、クオリティ高かったなあ。これは絶対に見なければ!
「はい…でも、そんなにお金かけられないですよ?」
「既製品買って、カスタムするなら、それなりの出費だよね?それを使えば良くない?足りなければ、あたしも少し出すしさ、ダメかな?」
「う~ん…」
綾ちゃんは俯いて考え込んでしまったけど、二宮先輩はスマホを弄ってる。
「あやち、これ見て、去年の写真。どう?」
「えっと…あの、本格的過ぎるんですけど。こんなのお願いしてもお金が…」
「タイジョブ、大丈夫!あたしの趣味も兼ねてるから、少し出すし、あやちがコスするならスポンサーが付くよ。」
スポンサー?そんなの付く訳ないよな。
「スポンサー?」
綾ちゃんも似た反応だ。
「そそ、ちょっと写真撮らせてやれば、てっつんとやっ君が出してくれる。キャラによっては全額出すかもよ?」
誰だ?
「てっつん?やっ君?て誰ですか?」
「猫飼と辻だよ。」
「あっ、あぁ。でも…」
「てっつんは出すよ、あやちがコスしたら見たいって言ってた。」
犬飼ってない先輩、今年は何描くんだろう?辻先輩と合同かな?
「うっすぅ!おひさ。やぎ、近藤ちゃん…えっと、お前、誰だっけ?」
「こんちは、犬飼ってない先輩。」
「こんにちは、猫飼先輩、お久しぶりです。」
「帰れ!今すぐ、帰れ!!」
左手を上げて入ってきた先輩を蹴り出そうとするユーコ先輩。
「痛ってぇって。加減をしろ、加減を。」
「ぁたっく……もう。許してやるから金出して。」
ユーコ先輩は右手をひらひらと差し出す。
「はぁ?出さねぇよ。」
「あやちがコスするっていうから、コス作製費用を出せ。」
「お?!マジか!?それを先に言え。じゃあ、2万出す、ほれ。」
財布から事も無げに取り出した渋沢さんを2人も差し出している。
「えっ!?あっ、ちょ、待って…待って下さい。まだ、何をやるか言ってないですよ!そんな何も聞かずに2万円も出しちゃダメです。」
綾ちゃんは凄く慌てて犬飼ってない先輩を止めに入る。
「ん?良いよ。近藤ちゃんがコスするんでしょ?お披露目前に俺に見せてくれればオッケーだよ。」
「よっ!太っ腹スポンサー様。」
「ヨーコはしっかり衣装作れよな。」
「ヨーコじゃねえ!」
膝蹴りがクリーンヒットする。
「だから、痛てぇって!まあ、もう、良いわ。俺は入稿終わるまで、来ねえから。それだけ言いに寄ったんだ。近藤ちゃん、コス楽しみにしてるね。ほんじゃね~。」
その話だけで犬飼ってない先輩は帰っていったけど、たったあれだけの話で渋沢さん2枚出せるって凄いな。
「犬飼ってない先輩が今年は何描くか聞いてます?」
ユーコ先輩に聞いてみる。
「聞いてないけど、ブルアカじゃね?新キャラとか、イベ効率とかって、やっ君と話してるし。」
ブルアカかぁ………キャラは少し知ってるけど、やってなんだよなぁ
「ブルアカのコスを考えてたんですけど、どうしようかなぁ。銃なんて持ってないし…」
「てっつんに追加費用出させるのもアリだけどな。衣装と小道具で分かるキャラにしたら?」
「いや、これ以上出して貰うのは……小道具で…う~ん………」
あぁ、もう僕には分からない内容になってく。内容は聞き取らずに綾ちゃんの声だけを楽しみ、SQを開く。今月も猫は無事のようで安心、安心。
一通り読み終わって顔を上げて見回すと綾ちゃんが居ない。
「終わったんなら、SQ見して。」
ユーコ先輩に渡しながら聞く。
「近藤さんは帰ったんですか?」
「うん、10分くらい前かな?帰って立ち絵見て、コスのキャラ考えるって。」
目次も見ないで前から捲り始めたよ。この人、頭から全部読む気だな…
「そですか、僕も帰って録画物観ます。」
「あいよ、ばい!」
顔も上げずに手だけ振ってる。
「乙カレーす。」
さーて貯まってるヤツ一気見して、綾ちゃんに何のコスするのか聞いてみようかな?

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