「何やる?」
「ヤスに任せる。」
『あやち、スカート脱がないとシワになるよ?』
『そう…ですね。』
『恥ずかしい?』
『少し…‥‥』
リビングに戻った後すぐに隣の部屋へ入った2人の会話が気になって仕方がない。
『俺が脱がせて良い?』
『あっ、あの、えと………』
『あはは、冗談だよ。無理しないで。』
「なんだ、脱がせないのかぁ!てっつん、そこはマッパだろぅ!」
ユーコ先輩は床をぱんっ!と叩きながら隣を囃し立てる。
『うるせーな。』
「妄想全開させろよぉ!」
『あやち、すっぽんぽんだって、どする?』
『えっと、脱いだ方が良いですか?』
「もちろんだぁ!」
『あれには羞恥心がないんだな。』
「あれって言うな。」
『あのっ、脱がせてくれますか?』
「イエッス!」
『あっ、あの…』
『脱がすよ、よーく、見せて。』
衣擦れと綾ちゃんの吐息だけが聞こえる。
「あー、三次元の彼女とか!無縁だし!!」
「ヤスもヤギもココでしこるなよ?」
「こんなとこでしねーから!」
『あっ…ちょっ、あの、先輩?』
『可愛いおっぱいだね。』
『つついちゃダメです。』
『はい、俺の肩に手をついて。』
『えっと、どーするんですか?』
『パンツも脱がさないとね。』
『あっ、あの、あのっ…そんなにじっと見ないてください。』
『綺麗だね~』
『うぅんっ、そんな……すりすりしちゃダメですぅ。』
「何処をすりすりしてるんだよ!羨ましいじゃないか!」
「ユーコ先輩はあっちに行っても良いんじゃ?」
「ダメに決まってんだろ、あたしが行ったら3Pになっちゃうだろ?」
『あっ、あっ、んんっ!………抱っこしてください。』
『良いよ~、おいで。』
『んっ、はぁ。先輩は脱がないんですか?』
『俺も脱いだらエッチしちゃうよ、良いの?』
「隣でおっぱじめるなよな!」
『おちつかねーなー。あやち、上行こう。ベッドで寝よう。』
『はい…あの、コンドームありますよね?』
『ないよ、生ハメだよ。』
『そっ、外にっ…出してくださいね。』
『さっ、あやち、上行くよ。』
『はい、あのっ、初めてなので優しくしてください。』
「もう、止めて!ヤギのHPは0よ!」
カラッと襖が開く音がした瞬間に顔を伏せる。
「分かった、分かった。ホントにうるせーなー。」
「おやすみなさーい。」
「やっぱし、脱いでなかったな。」
階段を上がろうとしている綾ちゃんは確り服を着ていた。
「ヤギはなんでも信じすぎなんだよ。」
「てっつんが襖1枚で女の子を全裸にする訳ないだろ。」
時折、キシキシと軋む音がするなか、僕たちは朝までゲームをしていた。
トントントンと一定のリズムの足音が下りてくる。
「おはー。まだ、やってんのか。お前らは体力余ってんなぁ。」
「まだまだ、これからだろー!」
「あやちは?」
「裸で寝てるから、男は見に行くなよ?」
「あたしはおっけー?」
「あぁ〜、ぎりアウトか?」
「なんでさ?」
「お前なら襲うだろ?」
「流石にそれはないわ〜。」
「あんま、信用できんけどな。」
「そっちの2人は信用するのけ?」
「そっちは行くなっつったら行かねーだろ。」
「わかんないよー?のり的な勢いで行くかもよ?」
「ない、ない!そいつらにそんな気合も度胸もないだろ。」
「おまいら、上行けば、あやちの裸見られるぞ?」
「行かないよ、裸見ておかずにするくらいなら、先輩のあやち本を貰うに一票。」
「ヤス、つまんねー選択するなよ。」
「一瞬だけみて、その後、気まずいより、何回でもじっくり見てシコれる方が良いよ、なあ?ヤギ。」
「まあ、そっすね。」
僕は何を言ってるんだ?本当なら僕だけが見られる裸だったはずなのに。
「朝飯食うなら冷蔵庫漁るか、コンビニで買ってこいな。」
「俺はシャワー浴びてくる。」
「ユーコ先輩、あやちが裸で寝てるってマジだと思いますか?」
「7対3でマジ、やっちゃってる可能性は低そうだけどな。」
「ヤギ、交代。あたしは上見てくる。」
コントローラーを僕に渡して立ち上がる。
「ちょっ、止めた方が良くないっすか?」
「大丈夫だよ、何かする訳じゃないし。ちょっとばかし見てくるわ。」
トントンっと上がって行ってしまった。
「ホントにだいじょーぶすかね?」
「んー、ボクはノータッチで。」
「おーい、てっつん!タオル!バスタオルはどこだ!?ってシャワーか…」
「なんだよ?」
「きれいなタオルとバスタオルはどこだ?」
「脱衣場の洗濯機の上だけど、どした?」
「あやちもシャワー浴びるだろ?」
「目覚めたら俺のスマホ鳴らしてくれってメモ置いてきてるぞ?」
「カピカピなんだから、横に置いといた方が良いだろ?」
カピカピ?ってどういうこと?
「ああ、そうだな…って見に行ったのか?」
「そりゃあ、気になってたし。」
「まったくよ〜。」
「あ〜、ボクは朝飯食いながら帰りますわー。ヤギはどうする?」
「んじゃ、合わせて帰ります。」
「気をつけて帰れよー。」
「おつかれ、おやすみなー。」
僕はどうやって帰ってきたんだろう?犬飼ってない先輩の家を出てから…辻先輩とコンビニ寄って…それからどうしたっけ?
綾ちゃんに何があったのか聞きたい。でも、聞けない、聞ける訳がない、聞く資格もない………

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