雪菜はいつも通りに朝食の準備をしてくれて、
僕はいつも通りに朝食を摂り、出勤する。
「いってきます、雪菜。」
「いってらっしゃい、あっくん。」
12時ほぼぴったりにスマホを手に取り事務所を出る。
コンビニでホットの缶コーヒーとサンドイッチを買い、
わざわざ日陰の人が居ない場所を選んで座る。
先輩のアプリから通知はないし、起動もできない。
今朝、雪菜は何も言ってなかったし、2人は会ってないのだろう、
それが当たり前なんだけど、物足りなさを感じている。
帰宅してドアを開ける前に、深呼吸する。
金曜日のように不意打ちされたら…
ゆっくりドアを開けると暖かい明りと夕飯の準備をする
雪菜の気配にほっとしつつも、落胆している。
「ただいま、雪菜。」
「おかえりなさい、あっくん。もうすぐ、夕飯できるからね。」
今まで通りのようで、何かが違う。もやっとした違和感がある。
でも、何事なく今まで通りのように過ぎていく。
金曜日の朝、いつも通りに出勤しようとしたところで、
「今日は近藤さんのお家に行ってくるね。」
雪菜はそう言いながら、僕の顔を覗き込んだ。
「うん、分かった。お泊りしてきても良いんだよ。」
僕はそれが当たり前のように言葉が出ている。
「うん、泊まれるかは近藤さんの予定次第だから……
でも、良いって言われたら泊ってくるね。」
「いってきます、雪菜。」
「いってらっしゃい、あっくん。」
”いってきます”の前10秒くらいがなければ普通の夫婦の会話だろう。
でも、これが僕たち夫婦の普通の会話になるのだと思う。
12時ほぼぴったりにスマホを手に取り事務所を出る。
コンビニでホットの缶コーヒーとサンドイッチを買い、
わざわざ日陰の人が居ない場所を選んで座る。
やはり通知が入っていた。
逸る気持ちを抑えながらサムネを確認していくが、
残念ながら2人はセックスしていないみたいだ。
白けた気分になり、午後の仕事にも身が入らず、
その白けた気分のまま、帰宅すると部屋は真っ暗だ。
雪菜がまだ、先輩のところに居るのだと思うと気持ちが昂り、
慌ててスマホを取り出し、アプリを起動する。
2人で夕飯の準備をしている楽しそうな会話が聞こえるが、
そんなことに興味はないし正直、落胆する。
午後から今までのサムネをチェックするが、やはりセックスはしていなかった。
これから夕飯を摂るとなれば2時間くらいは何もないだろう、
その間に僕も夕飯とお風呂を済まさなければと思い、
キッチンに行くと”冷蔵庫を見てね”とメモが残されている。
下拵えが済んでいて、ご飯もタイマーで炊けている。
雪菜に感謝しながら、やっぱり泊ってくる気だったんだなと
股間が疼きはじめる。
僕が夕飯とお風呂を済ます間も2人の様子をずっと観ていたけど
夕飯を仲良く食べ、お酒を飲み、おしゃべりしてと
期待していた展開はにはならない。
2人一緒にお風呂に向かったので次こそはと期待したのに、
脱衣所もお風呂もカメラが撤去されていて何も映らない。
お風呂をあがった2人は全裸で寝室に入る。
漸く汚される雪菜の姿が映るのかと期待したのに
布団に入って抱き合っているだけのようだ。
「雪菜はエッチしたいの?」
「うん、エッチしたいけど、今日はダメなんでしょ?」
「来週はいっぱいしてあげるからね。」
「真優ちゃんはいっぱいしたんですよね?ずるいなぁ。」
『まゆって誰だ?雪菜も知ってるみたいだけど先輩の彼女なのか?』
「あれは勝手にするからね。俺が寝ててもお構いなしに跨ってくるし。」
「私も勝手にして良いですよね?」
雪菜が時折、ピクっとカラダを震わせる。
「しても良いけど、1回でも挿入れたら、来週はしないよ?」
「それはやだ。来週もいっぱいして欲しいです。
エッチしないって言ってるのに、ずっと私のおっぱいとあそこ触ってます。
啓介さんが触ってエッチしたくなった分は責任取ってください。」
「どう責任取れば良いのかな?」
「1分で良いからおちんぽ様挿入れてください。」
心臓を鷲掴みにされるような感覚。
絶対に自分の妻から発せられて良い筈がない言葉だ。
でもそれは僕のペニスを石のように固くなる。
「1回エッチするのは良いけど生はしないよ。」
「なんでぇ?真優ちゃんはいっぱいして、しかも中に出したんですよね。ずるいです。」
「今日は薄いのしか出ないからね。
雪菜の中出し1発目は濃いのを子宮に注ぎ込みたいんだよ。」
「絶対ですよ?凄く濃いのを、い~っぱい子宮にくれますか?」
「だから今日は我慢できる?」
「でも我慢できない。エッチしたいです。」
「指と舌でイカせてあげるから、それで我慢してね。」
布団の中で2人が絡み合い、雪菜の甘い吐息が漏れる。
雪菜の手がシーツを握り、脚が布団を跳ね上げ、手足が先輩に絡みつき快感に合わせて蠢く。
吐息は喘ぎ声に代わり、カラダを震わせる。
先輩の手が、唇が、舌が雪菜の白い首筋、鎖骨、腕、乳房、乳首、おなか、おへそ、下腹部、恥丘、割れ目を広げ、陰核、膣口、内股、足、指先へと全身を這い回る。
「ダメっ!イク!イっちゃう!おちんぽ様もらってないのにイっちゃう!」
指が膣に指し込まれ掻き回されると腰が跳ね上がりガクガクと震えだす。
「ホント、ほんとにダメ!イクの!啓介さんのおちんぽさまちょーだいっ!まだ、イキたくないの!」
先輩の手の動きが激しくなると”ぐちゅぐちょ”と淫水の音も激しくなる。
「やあああぁぁぁあぁっ!いっっ……くぅぅ!!」
雪菜は呼吸と長い黒髪をを乱したまま、先輩に抱き着いている。
「少しは落ち着ついた?雪菜はまだ、ちんぽ欲しいの?」
「啓介さんのおちんぽ様挿入れて欲しいです。でも、我慢します。
来週は絶対にエッチしてくださいね。約束ですよ?」
「分かった、約束するよ。来週は生エッチしてあげるからね。」
「18日が私の誕生日なんです。だから、いっぱいしてくださいね。
啓介さんが帰ってきたら、ご飯食べて、一緒にお風呂入って
その後、ずーーーーっとエッチですからね?」
雪菜が誕生日を僕と祝うつもりがないことに、
僕よりも先輩とのセックスを優先するつもりだということに、
そして、もう帰ってこないのでは?という不安と同時に
穢される雪菜の姿を妄想して暗い興奮を抱いていた。
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